ガムランに用いられる楽器の素材は、竹・木・アシ・皮革・金属と様々であり、
アンサンブルの規模も、4〜5人で奏するものから数十人を要するものまでと多彩です。
また、バリ、西部ジャワ、中部・東部ジャワと、地域による様式の違いも見られます。
しかしどの地域のガムランも
2拍子か4拍子系で拍子の枠が非常にはっきりしていること,
その基本となる拍子の枠に従って
幾種類かの楽器がそれぞれ異なる時間刻みで重なり全体が層をなしてること,
個々の楽器が単一で充足せず
複数で用いられて初めて音楽的に完結するようにアンサンブルがされていること,
合奏に加わる楽器が伝統的な約束事に従いつつ集団で即興演奏を行うこと,
などの共通する基本的な特徴も明確に認められています。
また、これらのガムランの特徴は
日本や東アジアの他地域の合奏の基本的なアイディアとは大きく異なるものでもあります。
このようにインドネシア各地によって多種多様なガムランではありますが
多くの場合、舞踊や演劇と結びついていて総合的な芸能として享受され
宗教儀礼や村落の祭りや、宮廷儀礼などと、密接に関りながら発展してきました。
それは、バリやジャワの人々の民族の感性が結晶した伝統音楽であり
つねに変化していく現代の音楽でもある、、といえます。
そしてこれらのガムラン音楽は
その芸術性の高さゆえに、20世紀初頭から欧米の音楽家たちに注目を浴び
現在では欧米や日本にも移入され音楽学校等で教えられているほか
インドネシア人以外による創作も試みられ、国際的な音楽になりつつあるとも言われています。